ウォーターコラム

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プロフィール

中塚正博

中塚正博

株式会社日本食品開発研究所・代表取締役社長。
愛知医科大研究生として長年にわたり低酸素環境下における順応効果の研究に携わる。
1951年兵庫県生まれ

更新日:2007年08月20日
見えない水-CO2排出との関係-

60年前のバイオマスエネルギー
バイオエタノール バイオディーゼルなど石油に代わる燃料が話題になっていますが「松根油」という名前をご存知ですか? 読み方は「しょうこんゆ」と言います。
太平洋戦争末期(昭和20年)、日本は極端な石油不足のために航空機燃料の代替燃料として「松根油」の製造に取り組んでいました。名前の通り、松の根から抽出された油を精製した自然生まれの燃料です。
「200本の松で航空機が1時間飛ぶことができるが、これは数十年かけて育った松1本を消費してもわずか18秒分にしかならない」そんな意見もありますが〝資源の再利用〟を考えると60年も前から日本はバイオマスエネルギーに取り組んでいたわけです。驚きですね。
もっとも当時の技術では、実際に飛行機を飛ばすまでの品質は得られなかったようですが。
トウモロコシイメージ
現在は、トウモロコシなどを原料としたエタノールを用いて自動車が走る時代となりました。
バイオマスエネルギーの利用はCO2(二酸化炭素)発生削減が目的ですが、「原料が食料」と考えると、食糧を輸入に依存している日本人の思いは複雑です。


輸入大国日本。CO2排出の落とし穴

フードマイレージ ヴァーチャルウォーターは最近、注目されている考え方です。
フードマイレージとは
「輸入した食糧の総重量」×「輸送距離」

食糧生産地から食卓までの距離が長いほど、輸送にかかる燃料やCO2の排出量が多くなります。つまり、フードマイレージが高い国ほど食料の消費が環境に対して、大きな負荷を与えていることになる訳です。
2000年の日本の食料輸入量(総重量)は約5,300万tと言われています。これに輸送距離を掛けたフードマイレージは約5,000億t・km。
驚くことに、他国と比較すると
・韓国 約3.4倍
・米国 約3.7倍 
     
      (対日本)
分かりやすく日本人、1人あたりのフードマイレージを逆算してみると、直線距離にして東京から米国シカゴ間の距離に相当します。
輸送で発生するCO2も他人事ではないのです。
輸入イメージ  


見えない「輸入水」
一方、ヴァーチャルウォーターとは、直訳すると「仮想水」。
食糧を生産する時、小麦でも大豆でも栽培時には水が不可欠です。食肉である牛や豚も当然水を飲みますが、彼らが食べる餌の栽培にも水が必要。
つまり食糧の輸入は〝間接的に水を輸入している〟これが仮想水(ヴァーチャルウォーター)の考え方です。
「麦の生産には1,000倍の重さの水資源が必要で、精製ロスなどを考慮すると可食部重量の2,000倍、米では3,600倍、鶏肉では4,500倍、牛肉では約20,000倍の水資源が必要である」との算定結果も出ているようです。 (東京大学 沖大幹教授)

水イメージ
フードマイレージやヴァーチャルウォーターという考え方を徹底すると、消費地に近い場所で農産物を生産するほうが「環境に優しい」ということになります。
私たちは知らない間に、海外からの食糧を口にしています。水も同じ。
フードマイレージやヴァーチャルウォーターという考え方を思い出し、できるだけ国産の食糧を使った食生活を行ってみませんか? 
環境に優しい食生活に近づき、CO2の削減に少しは役立ちますよ。

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