ウォーターコラム

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プロフィール

中塚正博

中塚正博

株式会社日本食品開発研究所・代表取締役社長。
愛知医科大研究生として長年にわたり低酸素環境下における順応効果の研究に携わる。
1951年兵庫県生まれ

更新日:2007年12月04日
「お値打ち品」と「もったいない」 ― 手づくりの茶筒を通して

京都の紅葉イメージ 今回は手づくりの茶筒のお話です。

私どものオフィスがある京都にはいろんな工芸品がありますが、手づくり茶筒もそのなかの一つです。
買い物をする時、関西ではよく「お買い得でっせ」という言葉を聴きますが、この茶筒は、お買い得と言うより「お値打ち」という言葉の方が、しっくりくる品だと思います。


「もったいない」の提唱
数年前、京都議定書関連行事に参加したワンガリ・マータイという女性が来日の際、「もったいない」という言葉をアピールしたのを覚えていますか? この女性は環境関係の分野で、初めてのノーベル平和賞を受賞した方です。
環境問題の解決には日本語の「もったいない」という考え方がぴったりで、この言葉を世界に広めようと活動されています。
「もったいない」という考え方・精神は、我々の先祖から受け継いできたもの。しかし日本人、私自身もその精神が心にあるのか、迷うところです。

「もったいない」の言葉が環境・循環型社会を表現する言葉の一つとして浸透するなか、10数年前、アムステルダムでの恥ずかしい経験をふと、思い出しました。

「ビジネスでの滞在。現地通訳の方と、アムステルダム駅での回想・・・」
私:アムステルダム駅は、東京駅に似ていますね?
通訳(以下、通):東京駅の駅舎はアムステルダム駅をモデルにしたという説もあるようです。
私:しかしオランダの首都なのに、路面電車が走っているなんて驚きですね! 東京や大阪の駅前では考えられませんよ。道路には一部レンガが敷いてあるから、車に乗っていても乗り心地が悪いのでは?(「日本のほうが、都会や」と内心得意だったのですが・・・)


アスファルトに囲まれた都心イメージ 通:(しばし無言・・・)オランダは元々、国土が狭く、干拓して土地を広げてきました。また、資源が乏しい国で山もなく、レンガも実は輸入しているもの。
東京のようにアスファルト舗装の方が、適しているように見えますが、工事で道路を掘り返した後のアスファルトはそのままでは再利用できません。レンガの場合、磨耗や破損した部分だけを交換するだけ。

一般道路の一部、路面台車の軌道内などレンガ敷きで対応できる箇所は、いまだにレンガを使っているのです。
オランダでは、自転車も多く利用されています。散歩のときには、自転車専用レーン内を歩かないように注意してください。
ところで、確か日本もオランダと同じように資源の乏しい国でしたよね?
私:(浅はかな自分が、恥ずかしい!!)


「育つ茶筒」とは
話を茶筒に戻しますがオフィス近隣にある「開化堂」というお店で、銅製の茶筒が人気だそうです。店内には経過年数ごとの使用された現物が展示されています。
50年前の品でも手入れや修理をすれば、ずっと使えます。銅製の茶筒は「贅沢!」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、50年も使えるのなら、まさに「もったいない」の精神です。機密性も優れているので紅茶や珈琲豆の保存にも使えます。

ホームページには、エッセイスト平松洋子さんが「育つ茶筒」というタイトルで銅製茶筒のことをうまく書いています。新しい10円玉のように光り輝く茶筒が使い込むほどに風合いが変わっていく、だから「育つ茶筒」なのだと。確かに塗装した缶や合成樹脂の容器では、「育つ」とはいえません。
昔から「安物買いの銭失い」なんていいますが、いい物を買って長く使うという考え。この言い方も「もったいない」の精神かも知れませんね。

改めて見ると、記念品やほとんど使わない文房具などが家庭やオフィス、自分の周りにあふれかえっていました。スペースももったいないし、肝心のものが中々見つからないし・・・余分なものはタダでも、貰わないようにと、思うこの頃。
これからは、「お買い得」より「お値打ち品」の時代なのかも知れません。今、話題のミシュランもいいですが、元はタイヤを売るための販促雑誌です。自分にとって何が「お値打ち品」かを、見分ける力を養いましょう。

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