ウォーターコラム

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プロフィール

中塚正博

中塚正博

株式会社日本食品開発研究所・代表取締役社長。
愛知医科大研究生として長年にわたり低酸素環境下における順応効果の研究に携わる。
1951年兵庫県生まれ

更新日:2008年03月14日
養殖技術の発達と生態系の関係

函館山からの夜景

三寒四温とはよく言ったもので、本格的な春までに何回か寒さを経験することでしょうが、今日は4月半ばの陽気で、京都でもコートが要らない暖かさです。

寒さといえば、先週久しぶりに函館に出張いたしました。
到着した時は快晴で、京都と変わらない気温でしたが、あっという間に吹雪になったかと思うとすぐに晴れ間が見える天候で、最低気温はマイナス5℃。確かに朝晩は寒かった。

トラピスチヌ修道院 北海道といえば海産物。
食事は居酒屋と寿司、それに函館ラーメンを満喫いたしました。(仕事もこなしておりますが)

大昔の酒屋さんの建物を改造した居酒屋で炭火の囲炉裏が各テーブルにあり、自分で魚や干物を焼いて食べる京都ではあまり見かけないスタイル。刺身より干物の味がまた格別、大満足でした。


他店にも足を運びましたがメニューを見て、ふと考えさせられたのが「クジラ」でした。
私が小学生の頃、給食メニューの定番はクジラのカツや竜田揚げなど。貴重な蛋白源として、実家では「はりはり鍋」(みずなとクジラの鍋)が食卓にあがるなどポピュラーな素材であったのに、いつのまにかクジラ漁は調査捕鯨のみ。
最近、オーストラリアを基地とした「シーシェパード」なる船の目に余る行為も報道されていますが、居酒屋で見かけたクジラも調査捕鯨のおかげで南氷洋から函館まで来たかと思えば、胸が一杯になります。

一方、出張から戻り、回転寿司屋さんを見ると安いマグロや中トロの寿司が回っています。
これもよく考えるとオーストラリア繋がりかと、気づきました。

「養殖技術の発達と生態系の関係」
マグロが安く食べられるようになったのは、実は養殖技術の発達のおかげです。
現在、クロアチア・スペイン・オーストラリアなどで、盛んに養殖されています。(まるで、サッカーのワールドカップのようですが)
クロアチアは本マグロ、オーストラリアでは南マグロが主に養殖されています。

「畜養の盲点」
本来の養殖とは、卵からスタートして成魚になるまでを指しますが、スーパーで売っている養殖マグロの養殖方法は異なります。正確には「畜養」といって、小さな魚体のマグロを獲った後、馬鹿でかい生簀の中で人工的に飼育されます。

「畜養」だと、天然物より運動量が少ないためか脂身の比率が多く、中トロみたいな部分もたくさん取れるようです。
ただし、小さな魚体の乱獲や、他の地域から冷凍イワシを持ってくる餌のイワシがいないエリアでの養殖場では、生態系のバランスが崩れるなどの問題が発生しています。
もっとも、それを買って食べる人(今までは日本人)がいるから、畜養業者がいるわけですが・・・
天然マグロを捕獲して食する日本人が責められる今、畜養のように小魚の乱獲に関わる生態系バランスの崩れが大きな問題かと思います。(成魚になる前のマグロの漁獲高については、正確な統計資料も見当たりません)

話は戻りますが、調査捕鯨を妨害している船の基地はオーストラリアです。クジラの調査捕鯨を妨害するグループを黙認する一方、畜養マグロの生産には精を出す。「何か、すっきりしないものを感じる」のは、私だけでしょうか?

南氷洋に近い国ですから、クジラの畜養をやればもっと儲かりますよ?

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