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- 更新日:2008年10月29日
- SPECIAL LOHAS TALK/黛 まどか vol.1

SPECIAL LOHAS TALK 黛 まどか vol.1
『水には体内の水分を入れ替える、浄化するチカラがあるんですね。』
「サンチャゴ巡礼」に「サランヘヨの旅」。
さらに「ニュージーランド、真夏の旅」という本も出版された。
これだけなら「旅人」。しかし、彼女はまぎれもない「俳人」だ。
旧態依然とした季語の世界に一石を投じている。
「サザンは夏の季語」と言い切る。乱れていく日本語を危惧するだけではなく、
新しい風を吹きかける。今、注目の俳人と日本語の旅へのご招待。
日本には季節のグラデーションがあります。
この前、若い方たちと話す機会があって気づいたのですが、「いっぱいいっぱい」という言葉をよく遣うんですよ。「いっぱいいっぱいと言えるくらいならまだがんばれる」と檄を飛ばしたんですが、引かれちゃって(苦笑)。その次からは言い方を変えて「自分の中のコップはいっぱいになった時にがんばると、さらに大きいコップになるんだよ」と言うようにしました。最近の世の中は関係が希薄で、言葉のコミュニケーションがとれない若者が増えているように思えます。友だちと話す時は、若者特有の言葉を遣ってもいいと思うのですが、言葉にはTPOがあって、場所や相手で遣いわけなければなりません。日本語には(敬語、尊敬語、謙譲語など)美しい言葉の遣い方があるのに、それらの言葉を遣うことができない。もったいないですね。
例えば、私の好きな秋の季語に「薄紅葉」という季語があります。日本語にはグラデーションがあって、「紅葉」ひとつとっても色づき始めた初紅葉、薄紅葉から散っていく様まで、たくさんの言葉で表すことができます。以前、俳句をしない友だちと旅行に行った時に、山を目の前にして、その友だちが「まだ全然紅葉していないね」と言ったんです。しかし私は心の中で「あ、もう薄紅葉が始まっている」と思っていたんです。日常生活では「薄紅葉」という言葉を知らなくても不自由しませんが、知っていることで見えてくるものや、感じることが増え、心が豊かになります。以前ならば、踏んでしまっていたであろう小さな花に気がつくようになったのも、俳句を始めてから。いろいろな言葉を知ることによって発見が増え、生活が豊かになったような気がします。
*つづく*
(会員誌 "Aqua Clara Style" 2008 AUTUMN/SPECIAL LOHAS TALK 「水には体内の水分を入れ替える、浄化するチカラがあるんですね。」より掲載) 文/小松崎 靖代
黛 まどか MADOKA MAYUZUMI
俳人。神奈川県生まれ。1994年、「B面の夏」50句で第40回角川俳句賞奨励賞受賞。同年、俳句サークル「東京ヘップバーン」発足。1996年、俳句誌「月刊ヘップバーン」創刊・主宰(2006年、通巻100号を機に終刊)。1999年、北スペイン・サンチャゴ巡礼道約900kmを徒歩で踏破したのに続き、2001年〜2002年、四季にわたり5回訪韓し、釜山からソウルまでの道のり約500kmを徒歩で踏破。2002年、『京都の恋』で第2回山本健吉文学賞受賞。2005年より「日本再発見塾」呼びかけ人代表。 ※俳句出典:「味の手帖」

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